天璽瑞宝トップ > 所縁の史跡 > 石作玉作神社

石作玉作神社 [地図]

滋賀県長浜市木之本町千田に鎮座する石作玉作神社です。
湧出山の東、北国街道沿いに位置します。

『延喜式』神名帳の近江国伊香郡に、「石作神社」と「玉作神社」があります。

祭神は、天火明命と玉祖命。
相殿に品陀別命(八幡神)を祀ります。

火明命は『姓氏録』左京神別下・山城国神別・摂津国神別・和泉国神別にみえる石作氏の祖神、玉祖命は『古事記』の天岩戸神話や天孫降臨神話にみえる玉造部の祖の祖神です。

石作神社は、もと南西に500mほどの小字「石作」にあり、文化六(1809)年には勾玉管玉類がそこから出土したといいます。

『三代実録』貞観七年三月二十八日条に、近江国の言として伊香郡の人・石作部広継女を節婦として表彰されたことがみえます。
当地に住む石作部たちによって奉斎されたと見てよいでしょう。

石作氏は、『姓氏録』左京神別には、垂仁朝に皇后日葉酢媛命のために石棺を作って奉ったといい、『播磨国風土記』印南郡大国里条には、仲哀天皇の死に際して神功皇后が石作連大来に石材を求めさせたという伝承を持ちます。

伊香郡一帯には多くの古墳が営まれており、これらの石室・石棺の造営に関与したものでしょうか。

玉作部のつくる玉も、古墳の副葬品には欠かせないものですが、喪葬に限らず、当地域の諸豪族の行う、様々な祭祀に供給されたことでしょう。

文明三(1471)年に兵火にかかって石作神社は焼亡、村人が仮殿を造営したが、黒田庄の地頭の黒田政光が石作・玉作両社を現在地に合祀。さらに千田郷の氏神八幡神が相殿に祀られて現在に至るそうです。

《天璽瑞宝》  《もどる》

参考:
志賀剛『式内社の研究』第七巻
西川丈雄「石作玉作神社」(谷川健一編『日本の神々』第五巻)