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可美真手命像

 可美真手命(ウマシマデのミコト。古事記に宇摩志麻遅命、先代旧事本紀に宇摩志麻治命)は、櫛玉饒速日命の子で、物部氏の祖です。
 この銅像は、東京都中央区の浜離宮恩賜庭園に立ちます。日清戦争のころ、明治天皇大婚二十五年祝典のために、陸軍省が懸賞募集して、ここに献納したものです。先代旧事本紀の説話を元にしたらしく、腕には神異の剣「フツノミタマ」が抱えられています。

 布都御魂は、物部氏の氏神である石上神宮の祭神で、出雲国譲神話で活躍する武甕槌神の帯剣といいます。神武東征のとき、熊野の高倉下命のもとに剣は天降り、磐余彦尊に献上されました。鎮魂(タマフリ)の力を手にした神武の軍は、ここから快進撃を始めることになります。
磐余彦尊に従うことを拒んだ長髄彦を殺して帰順した、宇摩志麻治命の忠節に報いるため、この剣は下賜されたと旧事本紀は記します。また、宇摩志麻治命は、天の物部を率いて、逆らうものたちを倒し、国内を平定したともあります。

 このような経緯からか、後裔を称する物部氏が武門の家柄と見られたためか、明治の当時は軍神と見られるようになっていたようです。
そのため、太平洋戦争の金属回収が行われていたときにも、供出を免れ、今日も現在の場所で見ることができます。

制作者は佐野昭、鋳造担当者は鈴木長吉です。